ブライアン・セルズニック「ユゴーの不思議な発明」

「知ってる?機械は全て目的があって作られるって。」「たぶん人間も同じだ。もし目的を失ったら・・・こわれた機械みたいなもんだよ」p382,383 160枚近いモノクロのイラストと間に挟みこまれた文章が、映画のような不思議な読後感を味わわせてくれます。映…

大野更紗「困ってる人」

ビルマの難民を支援するべく奮闘していた女子大学院生が難病にかかり、日本の医療制度の中で自らの「難」に向き合う中で知った現実に対する考察と、彼女の闘病をユーモア溢れる文章で綴った本。 彼女の病状、治療の痛みに関する描写を読むときはとても辛かっ…

クリスティン・カショア 「剣姫ーグレイスリング」

剣姫―グレイスリング (ハヤカワ文庫 FT カ 6-1)作者: クリスティン・カショア,立花オコジョ,Christin Kashore,和爾桃子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2011/05/20メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 39回この商品を含むブログ (24件) を見るミソピーイク…

天使のテディベア事件 ジョン・J・ラム

天使のテディベア事件 (創元推理文庫)ジョン・J・ラム東京創元社1050円Amazonで購入書評 杖をつかなければ歩けなくなってしまい警察を退職したブラッドリーは、美人の愛妻アシュとともにテディ・ベアショーに参加するためにボルチモアにやってきた。今回は、…

永遠の女王

愛しいアッシュリンはサマーコートの女王。夏至が近づくにつれ、サマーキングに強く惹かれてしまうことは覚悟していたはずだった。それでもセスは人間である自らに対し、いらだちをおさえられなかった。永遠の命さえあれば。だが人間を妖精に変えることがで…

夏至の森

七年ぶりに故郷に帰ったシルヴィアを待っていたのは、鬱蒼とした森に抱かれたリン屋敷と、曾曾曾祖母の手記。森には美しくも怖ろしい女王とその眷属が棲み、祖母が主宰する村の女たちのギルドが、屋敷を彼らから護っているのだという。シルヴィアがあわてて…

細川貂々「本当はずっとヤセたくて。―自分のために、できること」

本当はずっとヤセたくて。―自分のために、できること細川貂々幻冬舎1155円Amazonで購入書評 20代前半は体重が47kgだったのに、10年間で62kgになってしまった細川貂々さん。自分に向き合うことでダイエットに成功した著者の日々を漫画で描いた本です。まず、…

魔法の誓約 (最後の魔法使者2)

「本が好き」さんよりいただいた本です。ありがとうございます。 前作で最愛の人を失ったヴァニエル。それから10年が経ち、ヴァルデマールの情勢も大きく変わっていた。隣国との戦いで多くの「使者」を失い、ヴァルデマールを支える主要な人物となってしまっ…

風野 真知雄 「妻はくの一」

妻は、くノ一 (角川文庫)作者: 風野真知雄出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/12/25メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (18件) を見る平戸藩の御船手方書物天文係の雙星彦馬は、三度の飯より星が好きという…

ミストボーンー霧の落とし子(2)(3)

FT5冊目。 ミストボーン―霧の落とし子〈2〉赤き血の太陽 (ハヤカワ文庫FT)作者: ブランドンサンダースン,Brandon Sanderson,金子司出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/07/30メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 15回この商品を含むブログ (27件) を見る“…

ミストボーン―霧の落とし子〈1〉灰色の帝国

FT4冊目ミストボーン―霧の落とし子〈1〉灰色の帝国 (ハヤカワ文庫FT)作者: ブランドンサンダースン,Brandon Sanderson,金子司出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/05/05メディア: 文庫購入: 17人 クリック: 255回この商品を含むブログ (43件) を見る 内容…

白鳥のひなと火の鳥

白鳥のひなと火の鳥パトリシア・A・マキリップ東京創元社1029円Amazonで購入書評 「女魔法使いと白鳥のひな」を読了した勢いで読み始めて、目を疑いました。何これ?1作目とぜんぜん違うんだけど、と。

女魔法使いと白鳥のひな

女魔法使いと白鳥のひなパトリシア・A・マキリップ東京創元社1155円Amazonで購入書評 Kinuko.Y.Craftさんの表紙がすばらしく美しいです。うっとり。「本が好き」さんに頂いた本です。「道の民」の子ども達に伝えられてきた遊び歌に秘められた「ロウ王国」を…

シャンナ・スウェンドソン作 スーパーヒーローの秘密 (株)魔法製作所 

2011年1冊目東京創元社が、日本の読者のために作者に書き下ろしてもらったという一冊。東京創元社さんと作者の心意気には感ずるものがありますね。感謝感謝です。スーパーヒーローの秘密 ((株)魔法製作所) (創元推理文庫)作者: シャンナ・スウェンドソン,今…

太陽神の司祭

共通の脅威を前に、宿敵ヴァルデマールと手を結ぶことになったカース国。そのカースからの使節に同行した書記官カラルは、これまで信じてきたことがことごとく覆され混乱していた。この親切なヴァルデマール人が“白い悪魔”と怖れられる“使者”なのか?一方ヘイ…

闇の妖精王

闇の妖精王メリッサ・マール東京創元社1029円Amazonで購入書評 「妖精の女王」の続編。ファンタジーです。レスリーの内に渦巻く恐怖と怒り、それがダークコートの王を惹きつけた。弱体化しつつあるダークコートには、新しい糧が必要なのだ。一方、サマーキン…

アンナ・マクリーン「ルイザと水晶占い師」

生活費を稼ぐため、家族と離れボストンにもどった駆け出し作家のルイザ。親友のシルヴィアに誘われ、評判の水晶占い師パーシー夫人の降霊会に出席したルイザは、彼女のいんちきを見破る。影響されやすい友人を案じて、再度降霊会に同行すると、パーシー夫人…

死者の短剣 遺産

1作目の「死者の短剣 惑わし」の続編になるので、必ずそちらを先に読んでください。(この感想も)前作では、地の民の娘フォーンと湖の民の警邏隊のダグが出会い、種族の違いを超えて惹かれあい、結婚するところまででした。本作は、二人の結婚から二時間後…

バジリスクの魔法の歌

バジリスクにグリフィンときたからには、何か異形のモノたちの話なのかと思ったら、バジリスク家とグリフィン家という公家の権力争いから端を発した復讐物語でした。マキリップですからもちろん魔法・音楽が絡んでくるのですが・・・物語は黒焦げになったトルマ…

氷上都市の秘宝

レン・ナッツワーシー15歳。かつての氷上都市アンカレジでの日常に物足りなさを感じていた彼女は、盗賊〈ロストボーイ〉の口車に乗せられて、図書館の本をこっそり持ち出した挙げ句、盗賊の本拠地に連れて行かれる羽目に。一方、愛娘を救わんと必死で後を追…

スーザン・プライス「500年の恋人」

前作の面白さから、すぐに手に取った「500年の恋人」。ロマンティックなタイトルに期待大だったのですが・・・・。うーん、これは考えていたのとは全く異なる展開でした。ネタバレしないと書けないことが多いのですが、主人公のアンドリアに全く共感できず、…

スーザン・プライス「500年のトンネル」

ガーディアン賞を受賞したThe Sterkarm Handshakの翻訳。スーザン・プライスは「オーディンとのろわれた語り部」、「ゴースト・ドラム 北の魔法の物語」を読んだことがあるが、中々濃い物語だったという印象がある。この本はタイムトラベルものということで、…

マタタビ潔子の猫魂(ねこだま)

マタタビ潔子の猫魂(ねこだま)朱野帰子メディアファクトリー1260円Amazonで購入書評/ 第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作 妖魔退散エンターテインメント 地味で無口な28歳派遣社員・潔子。職場でいやがらせに遭うが、アパートで潔子を待つ飼い猫は、実は「猫…

WOMBS 1

本・雑誌WOMBS 1 (イッキ コミックス)白井 弓子小学館 ( 2010-01-29 )ISBN: 9784091884947由良の本棚で詳細を見るMediaMarker 妊婦だけの特殊部隊がある。いやあ、この発想はどこから来るの?なぜ妊婦なんだろうと思ったら、妊娠している雌だけが飛べる現地…

冬の薔薇

冬の薔薇パトリシア・A・マキリップ/原島 文世 訳東京創元社924円Amazonで購入書評/SF&ファンタジー ロイズは風変わりな少女だった。人には見えないものを視る目をもち、森を気ままにさまよい歩く。ある日彼女は泉のほとりで、光の中からひとりの若者が歩…

魔法の使徒

魔法の使徒(上下巻)マーセデス・ラッキー/翻訳:細美 瑤子東京創元社945円Amazonで購入書評/SF&ファンタジー アシュケヴロン家の跡取りヴァニエルは、一族から美しい容貌を鼻にかけた軟弱者と馬鹿にされていた。唯一の理解者だった姉も遠くに行き、孤立を深…

エルサレムから来た悪魔

エルサレムから来た悪魔 上下巻アリアナ・フランクリン/吉澤 康子東京創元社882円Amazonで購入書評/ミステリ・サスペンス本が好きさんからいただきました。ありがとうございます。 1171年、イングランド。ある巡礼の一行が、ケンブリッジの町への帰途にあっ…

グリム姉妹の事件簿1

グリム姉妹の事件簿1マイケル・バックリー/三辺 律子 訳東京創元社2415円Amazonで購入書評/ミステリ・サスペンス 両親が失踪し、孤児院で暮らすサブリナとダフネのグリム姉妹は、死んだはずの祖母に引きとられることになった。疑惑を深めるサブリナをよそに…

アイスクリン強し

表紙がとてもあたたかい色合いで、つい手にしてしまった畠中恵さんの本です。出てくるお菓子がおいしそうで!アイスクリン強し畠中 恵講談社 ( 2008-10-21 )ISBN: 9784062150064おすすめ度:由良の本棚で詳細を見るMediaMarker 内容(「BOOK」データベースよ…

コブの怪しい魔法使い

テキサスの田舎町コブに戻って3カ月、ドラゴンとも邪悪な魔法使いとも縁のない日々が続いている。あこがれのオーウェンと両想いになったのも束の間、魔法の悪用を企む一味との対決で彼の足手まといになるまいと、泣く泣く身を引いたケイティ。ところが魔法…