アイスクリン強し

表紙がとてもあたたかい色合いで、つい手にしてしまった畠中恵さんの本です。出てくるお菓子がおいしそうで!

アイスクリン強し
畠中 恵
講談社 ( 2008-10-21 )
ISBN: 9784062150064
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

内容(「BOOK」データベースより)
ビスキット、チヨコレイト、アイスクリン、シユウクリーム、スイートポテト。南蛮菓子から西洋菓子へと呼び名が変わり、新たな品々が数多登場。そんなスイーツ文明開化の東京で、孤児として生まれ育った真次郎は、念願の西洋菓子屋・風琴屋を開いた。そこには今日もまた、甘い菓子目当てに若い元幕臣の警官達がやってくる。菓子作りの修業に精を出したい真次郎に、厄介事が次々と…。著者の魅力全開!明治の築地居留地で、西洋菓子屋の若主人と元幕臣の警官達「若様組」が繰り広げる「スイーツ文明開化」騒動記。

明治23年がこの物語の舞台です。この時代設定がいい感じでした。冒頭で若様組と真次郎が明治になってどれくらい日本が変わったのかを紙に書き出す場面があるんですが、いやあ、すごい変わりようです。これでは、ついていけない人も多く出たのだろうなあと納得しました。江戸から明治にかけての変動はすさまじいものがあったのですねえ。


物語は差出人不明の人物から若様組と真次郎に謎解きの手紙がきたことから動き出します。その謎は、差出人である自分を探し、差出人が一番欲しているものを届けよ、そうすれば褒章を出そうというもの。開店資金がほしい真次郎、薄給でかつての家臣の面倒も見ている若様組は、興味を示します。さて、謎解きは…呼んでのお楽しみ。

この謎解き以外にも、お家復興騒動やら、コレラ流行やらいろんな騒動が真次郎の周りで巻き起こります。飄々と推理を展開する若様組みの長瀬、何だかいつも巻き添え食ってしまう真次郎、真次郎に思いを寄せる沙羅と登場人物がとても魅力的。

これ、漫画にしたら絶対面白いと思うんだけどなあ。脳内では「はいからさんが通る」バージョンで映像化して楽しみました。続編も出るといいな。