白鳥のひなと火の鳥



白鳥のひなと火の鳥

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書評


「女魔法使いと白鳥のひな」を読了した勢いで読み始めて、目を疑いました。何これ?1作目とぜんぜん違うんだけど、と。



物語は1作目から数週間後、ロウ王国の王国会議中に、見知らぬ魔法使いが現れたことから始まります。この魔法使いは、家中の時を遅らせて、ある物を盗みもうとやってきたのです。もちろん、ニクスとメグエットはそれを阻止しようとしますが、彼は強力な魔法使いでした。おまけに見たことのない火の鳥も現れて...







1作目は星座がポイントで、<血の狐>とか<黄金の王><盲目の女><火の熊><女王。というように< >がついた言葉がたいくさん出てきて、非常に読みにくいでした。1作目の感想で、訳が自分には合わなかったのかもしれないと書きましたが、2作目を読む限りそんなことはぜんぜんありませんでした。訳者さん、ごめんなさい。1作目は、やはり原文が詩的で難解だったのかもしれませんね。そういう物語だったのかも。


本作は、非常に読みやすく展開もスピーディ、そしてマキリップらしい魔法があちこちにちりばめてあって、一気に読まされてしまいました。




ニクスとメグエットは、再び王国を救うために立ち上がります。国を飛び出し時を越えてサフィア王国へやってきます。サフィア王国にはたくさんの魔法使いがいて、ドラゴンの息子が国を治めています。

前作の沼地とは異なり、今回は砂漠です。砂漠のドラゴンたちがかっこいいんですよ、これが。そして、あのニクスも恋に落ちちゃいます。相手は「火の鳥」。さすがニクス、普通の恋はしません。火の鳥を救うために大活躍します。

メグエットと門番さんは、相変わらずですが、門番さんがまた、かっこいいーーーー。渋いーー。


結構派手な魔法合戦をしているので、映像化したら面白いと思うんですよ。女性陣が強くて気持ちいいし、男性側は、みんなそれぞれ苦悩を抱えていてキャラも相当いいです。一番押しは門番さんですが、ラドさんも渋い。1作目で挫折しちゃった方も是非是非読んでいただきたいです。


「本が好き」さんよりいただきました。ありがとうございました。