コブの怪しい魔法使い

テキサスの田舎町コブに戻って3カ月、ドラゴンとも邪悪な魔法使いとも縁のない日々が続いている。あこがれのオーウェンと両想いになったのも束の間、魔法の悪用を企む一味との対決で彼の足手まといになるまいと、泣く泣く身を引いたケイティ。ところが魔法とは縁のないはずのコブの町で、魔法のにおいのする事件が発生。ケイティは(株)MSIに助けを求めるのだが……。ますます快調! おしゃれでロマンチックなファンタジー第4弾。訳者あとがき=今泉敦子。



コブの怪しい魔法使い

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書評/SF&ファンタジー




大好きなこのシリーズ。とても楽しみにしていました。期待を裏切らない面白さで、大満足です。


まずは、ケイティの家族に呆然。みんな個性的で、これなら魔法使いの会社に入社して大丈夫だったはずです。この家族から逃げ出したいと思ったのも納得。どの家でも母親+祖母は強力なものだけど、ケイティの家族は別格。読んでいておかしいやらケイティに同情するやら…でした。



オーウェンは、相変わらずシャイで、いろんなパターンの赤面の仕方が本当に可愛い〜!!!ケイティの母親がころりとやられてしまったのも頷けます。礼儀正しく超ハンサム、性格もよいとなれば、世の母親が放っておくはずはありませんね。ケイティの母親も二人の仲を取り持とうとあれこれ口をはさんできます。




ケイティは、彼を置き去りにしてきたことへの罪悪感、オーウェンが怒っているのではないかという不安感をぬぐえないのですが事件を捜査する中で二人のぎくしゃくした間も次第に元通りになっていきいます。相変わらずのんびり・まったりしたロマンスの発展具合ですが、何ともいえずいいですねえ。




今回は、ニューヨークから田舎に舞台が移った分、よりファンタジー要素が盛り込まれた内容になっています。既刊同様、軽く楽しめる、でも大好きな本になりました。とにかく読みながらにやにやしっぱなしでした。




周知のことですが、訳者あとがきによると、やはり本国での出版はこの巻まででとまっているようです。出版社に手紙を書くのもひとつの方法かも、と書かれていますが、真剣に考えてしまいますね。だって、まだまだ明らかにされていないことも多いじゃないですか。たとえばオーウェンの過去。もちろん二人の未来。今回あきらかになったある黒幕のこと。とにかく先が気になるシリーズです。