スーザン・プライス「500年の恋人」


前作の面白さから、すぐに手に取った「500年の恋人」。ロマンティックなタイトルに期待大だったのですが・・・・。うーん、これは考えていたのとは全く異なる展開でした。

ネタバレしないと書けないことが多いのですが、主人公のアンドリアに全く共感できず、物語にもぜんぜん入り込めませんでした。前作がおもしろかっただけに残念。

例えば、500年前の世界から戻ってきたアンドリアは、残してきた恋人ピーアを思い日々過ごしていた。・・・かと思ったら、つきあってる人ミックがいるんですよ。その上、500年前に戻れると知ったとたんにミックともお別れ。しかもピーアに会いに過去へ行くのに、ミックには「愛してる、またね。」なんて、別れも告げずに過去へダイブ。過去に行ったら行ったで、貞操観念も思いやりもない行動をとるので、あっけにとられました。

前作ではお馬鹿だけど、一本筋の通っていたピーアの魅力も激減で、読んでいていらいら・・・。

いただいた本にこんなにケチつけちゃいけないと思うんですが、どうにもこうにもイタダケナイ本でした。「500年のトンネル」でやめておいてくれたらよかったのに。続編も出るようですが、大団円になるんでしょうか。

ダイアナ・ウィン・ジョーンズのように、多次元のエピソードが最後にきっちりピースがはまってくれたら気持ちよいのですが・・・



500年の恋人

Amazonで購入