天使のテディベア事件 ジョン・J・ラム


天使のテディベア事件 (創元推理文庫)

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書評


杖をつかなければ歩けなくなってしまい警察を退職したブラッドリーは、美人の愛妻アシュとともにテディ・ベアショーに参加するためにボルチモアにやってきた。今回は、ブラッドリー自身が作成したテディ・ベアも出展するのだ。もちろん、妻のアッシュがいろいろと手助けしてくれたけれども、ほとんどを自分で仕上げたのだ。現地につき、自分達のブースの準備をしようとしていたときに、言い争いをしている夫婦を見つける。妻の方は有名なテディ・ベア作家だったが、夫はどうやらDVの常習者のようだ。ブラッドリーは首尾よく彼女を助けるが、夫から強い反感を買ってしまう。そして、後日そのテディ・ベア作家が死亡。殺人の疑いが出てきた。ブラッドリーも警察に疑われ、連行されてしまうことに。真犯人は一体だれなのか、そしてその理由は?

かわいらしいテディ・ベア作家達の間に渦巻く利権と嫉妬。何だか読んでいてげんなりしてくるほど、嫌な被害者だった。ブラッドリーを連行した警察も嫌なやつだったし、真犯人も自分勝手だし。。ただ、最後あたりにブラッドリーが「人生は公平なものだと考えている。」と言ったように、嫌なやつにはそれなりの報いがあったことがよかった。

なお、私は第1巻は読まずこの巻だけを読んだが、登場人物の関係やその背景などもきちんと説明していあるので、不都合はなかった。本作だけでも十分楽しめる。

「本が好き」さんから献本していただきました。ありがとうございます。