リトル・カントリー チャールズ・デ・リント

リトル・カントリー (上)
リトル・カントリー (上)

著:チャールズ・デ・リント , 他|出版社:東京創元社|発売日:1993/05|文庫|4488557015|


リトル・カントリー (下)
リトル・カントリー (下)

著:チャールズ・デ・リント , 他|出版社:東京創元社|発売日:1993/05|文庫|4488557023|

屋根裏部屋に隠されていた一冊の本。今は亡き天才ファンタジー作家ダンソーンの未発表作「リトル・カントリー」。著作権のページには「限定発行一部のみ」の文字が刻まれ、本に挟まれてた祖父宛ての手紙には謎めいたダンソーン本人のメッセージが。ジェーニーは、その小説を読み始めた。その後に巻き起こされる事件はまさに、そのとき目覚めたのだ。

NET古本屋で、ようやく下巻を手に入れめでたく読むことができた。こんな本が絶版だなんて!

ジェーニーの世界(多分、私達の世界)と「リトル・カントリー」の中の世界、二つの物語が交互に語られていく。二つの物語は絡まりそうで絡まず、交わりそうで交わらない。もちろん、最後にはうまくかみ合うのだけど。おまけに、「あちらの世界」も出てくるし、ストーンサークルも出てくるしで存分にファンタジー。現代と重なり合うもう1つの世界がちょっぴり出てくるところが私好み。メリングが好きな人にはお勧め!
ジェーニーは、伝承音楽演奏家でという設定で、ふんだんに音楽が出てくる。下巻の巻末にはチャールズ・デ・リント作の「ジェーニー・リトルの音楽から」なんて楽譜のおまけまでついている。
もちろん、謎の解明にはこの音楽が不可欠で重要な鍵にもなっている。
途中、「なんじゃこりゃ?」的な部分も出てくるが(ファンタジー作品にこんな部分が必要か?)…作者が男性だからかしら。うーむ。

チャールズ・デ・リントは今までにもジャッキーシリーズを2作読んでいて、とても好きな作家なのだが、この本もお気に入りに追加!作中のダンソーンが書いたとされる「かくれすむ人々」と「失われた音楽」も読みたいなあ。「かくれすむ人々」ですよ!そそるじゃないですか。