青空のむこう          アレックス シアラー

青空のむこう
青空のむこう

著:アレックス シアラー|出版社:求龍堂|発売日:2002/05|単行本|4763002112|

ぼくはまだ決めかねてた。アーサーはぼくに背中をむけて歩きだした。そのとたん、エギーやママやパパや友だち、ぼくが知ってる人たちの顔が次々に浮かんで、どうしてももう一度会いたくなった。みんながいなきゃ生きていけない。死んでることだってできない。すぐにぼくは決心した。アーサーの後を追いながら呼びかけた。
「待って、アーサー。ぼくも行く」
アーサーは立ち止まってぼくを待った。それからふたりで駆けだした。“生者の国"を目指して―。"

「感動の」とかで評判になっている本にはついつい手がのびない私ですが,たまたま図書館の返本コーナーにあったのが目に付いて借りてみました。死んだ少年の「生き生きとした」語り口は,ユーモラスで決して暗くない。彼のやり残したことというのが本当に身近なことで,却って涙を誘われてしまいました。分かってるのに,泣かされてしまいましたよ。評判になるのが分かります。ジェリーとのエピソードもよかったなあ。