ラプソディ―血脈の子〈下〉   エリザベス ヘイドン

ラプソディ―血脈の子〈下〉
ラプソディ―血脈の子〈下〉

著:エリザベス ヘイドン|出版社:早川書房|発売日:2001/05|文庫|4150202893|

美貌の「歌い手」ラプソディを窮地から救ってくれたアクメドとグルンソル。じつはかれらは邪悪な火の精フドールの奴隷であり、混沌と征服を至上の喜びとするフドールに、地球の核に眠る大蛇を解きはなって地上を破壊せよと命じられていた。だが多数の無辜の命を奪うことになる任務に耐えられなかったふたりは、主人から逃亡中だったのだ。フドールの計画を覆そうと、かれらはラプソディとともに地中深くへと赴くが…。

長かった・・・。あまりにも長く辛い描写も多いので読んでいて段々疲れてしまった。でも,内容は文句なしに面白い。ラプソディの「歌い手」の力が発現するところは,本当に美しくうっとりしてしまうし,登場人物も個性的でいい。アクメドは,策略家で人を信じなくて一筋縄ではいかないし,グルンソルはあったかいんだけど人食い。ラプソディは,虐待されている子どもを見ると我慢ならないところがあり,女性として非常にこゆ間を持った。そんなラプソディの物語なら,きっと読後はさわやかなはず。彼女があまりにも自分の容姿に無頓着なのが不思議ではあるが,はっきりとした鏡もないわけだから仕方がないのかな。新しく出てきたジョー,アシェも気になるところ。