ケルトの白馬 ローズマリ サトクリフ

ケルトの白馬
ケルトの白馬

著:ローズマリ サトクリフ , 他|出版社:ほるぷ出版|発売日:2000/12|単行本|4593533775|
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表紙の白馬が写真だということに気付くのにしばらくかかった。
緑の丘に駈ける白馬の姿。
イギリスのアフィントンというちいさな村の近くにある白馬の地上絵。そのあまりにも美しく伸びやかな絵から作者はインスピレーションを得、この物語を書き上げたという。
侵略と征服を繰り返すヨーロッパの人々の物語を多く書くサトクリフの物語を読むのは「太陽の戦士」に続き2作目。

幼い頃から目にするものを模様として捕らえ、描くことを無常の喜びとするルブリン。しかし、生きていくために戦士であることを求められる族長の息子であったため、少年組に入り、隠れて絵をかくことしかできなくなってしまう。平和な日々の中で親友が妹の婿として選ばれ後の族長として定められ、ルブリンは孤独を味わうようになる。
親友ダラと妹テルリの婚礼の夜、アトレバース族が攻めこんでくる。
そして、・…

運命に翻弄されながらも必死に生きるルブラン。
その生を象徴する「太陽の馬、月の馬」
美しい絵に秘められた悲劇をサトクリフが美しく、悲しくえがいている。
2001-07-30