やわらかな記号 小川 みなみ

やわらかな記号
やわらかな記号

著:小川 みなみ , 他|出版社:講談社|発売日:1995/03|単行本|4062074893|

「冒険というのは、未知の世界に行くことでしょ。」と冷めた声でいうらん子。「みんなには未知の世界の現実が見えていないのよ。それに、お湯がでなくてシャンプーのできない世界なんて、わたしはまっぴらよ。」でもね、それをはるかに上回る興奮が冒険にはあるんだよ。ただし、安全に確実にもどれる保証は、まったくないけどね…。―高校の生物部員六人が、さまよいこんだ三つのアナザーワールド。冒険なき現代に風穴をあける、新人の奇想にみちた冒険文学。講談社児童文学新人賞入選。 ""

私の高校の生物部って、ちょっと異様だった。ごみ箱でボウフラがわいていたのはしょっちゅうだったし、顧問がまた怪しかった・・この物語を書いたのは現役高校生物教師の方だそうで、生物部の描写がこれまた怪しくておもしろい。
冒険の始まりは「なめくじは、ワープする」という生物部のいいつたえ。実験の途中に生物部部員は、未知の世界へ飛ばされてしまう。
結局、ワープの謎はとけないし、ちょっと附に落ちきれないところもあるが、楽しめた。でも、本当になめくじでワープできちゃったら、便利だけど大変そう・・(1999年11月2日)