ドラゴンと愚者/パトリシア・ブリッグズ

ドラゴンと愚者 (ハヤカワ文庫 FT フ 15-1)
ドラゴンと愚者 (ハヤカワ文庫 FT フ 15-1)

著:パトリシア・ブリッグズ|出版社:早川書房|発売日:2007/07|文庫|4150204462|

〈青年は、故郷衰退のわけを知り患者の仮面を捨てる――〉父の死後、領地を継いだ青年ワード。愚鈍を装うかれは陰謀を打ち破るため冒険の旅へ!全米ファンタジイ界の語り部、初の邦訳なる
かつてドラゴンに守られ、魔法によって豊かに栄えたヒューログ。だが今やこの地は呪われ、貧しく落ちぶれた。ヒューログ城主の息子ワードウィックは、父の虐待を逃れるため、幼い頃から愚鈍を装ってきた。だが、城の地下で偶然ドラゴンの骨を見つけ、謎の少年オレグと出会ったのをきっかけに、ワードウィックは愚者の仮面を脱ぎ故郷を守る旅に出た……。周辺各国の陰謀に追われつつ、ワードと仲間たちの冒険の幕が上がる!

愚者を装って暴力的な父親から身を守ってきた主人公なんて初めて。ところどころ「ん?」と思うところもあるのですが,ワードウィックとオレグの設定が実に魅力的で読まされます。腐女子系の皆様が喜びそうなネタも満載ですね〜。未解決部分が多いので続きも読みたいなあと思います。後書きによると次作はロマンスもしっかり書かれるとの事なので期待しております。

この作家さんは初めてなんですが,ロマンティック・ホラーを書いているのですね。うーん,ロマンティック・ホラーということは吸血鬼系?苦手なんだよなあ。

【著者紹介】
1965年、米国モンタナ州生まれ。少女時代はロッキー山脈で乗馬をして過ごす。モンタナ州立大学歴史学とドイツ語の学位を取得、卒業後は非常勤講師として生活する。1993年に長篇ファンタジイMasquesでデビュー。以後、西洋史に関する知識にもとづく精緻な舞台設定と、平易な文体と会話を意図的に多用したファンタジイを精力的に書き続け、幅広い読者を獲得している。2006年にMoon Calledで幕を開けたアーバン・ロマンティック・ホラー《Mercedes Thompson Series》で一躍ベストセラー作家の仲間入りを果たす。本書『ドラゴンと愚者』は著者の第5長篇であり、そのエピック・ファンタジイにおける原点とも呼ぶべき作品。