失われし一族/マーセデス・ラッキー

失われし一族 (上) <ヴァルデマールの風 第二部>
失われし一族 (上) <ヴァルデマールの風 第二部>

著:マーセデス・ラッキー|出版社:東京創元社|発売日:2005/01/31|文庫|4488577083|

“隼殺し"の攻撃は撃退され、エルスペスは“鷹の兄弟"のもとで魔法の修行をすることになった。彼女を指導するのは“暗き風"。だが、彼はエルスペスに複雑な感情を抱いており、二人はどうもうまくいかない。見かねた鷲獅子たちがついに教師役を買って出ることに。一方スキッフは“もとめ"を持ったまま姿をくらましたナイアラを捜していた。“ヴァルデマールの風"第二部登場。

失われし一族 (下) <ヴァルデマールの風 第二部>
失われし一族 (下) <ヴァルデマールの風 第二部>

著:マーセデス・ラッキー|出版社:東京創元社|発売日:2005/01/31|文庫|4488577091|

なんとしても行方不明になっている一族の残りとの再会を果たさなければ…。救援要請に応えてやってきたのは、圧倒的な力と美貌を兼ね備えた“癒しの“達人。彼の存在は否が応でもエルスペスを魅きつけ、“暗き風"の嫉妬心をあおる。そんなとき、正体不明の攻撃が谷を襲った。混乱のさなか“達人"は驚くべき提案をする。“鷹の兄弟"一族の命運を賭けた計画は成功するのか。前作からかなりの時間をおいて刊行されたため,忘れていたところも多々^^;。しかし,上巻の前半できっちり説明してあるので大丈夫。この巻は「エルペスちゃん目覚める」ってところでしょうか。「女王の矢シリーズ」で困ったチャンだった彼女が,異郷の地で奮闘する物語です。一緒に行動していたスキッフは愛する人を救わねばならず,エルスペスは初めてたった一人で物事に立ち向かうことになりました。どうしても王女様然としたところの抜けない彼女に,<暗き風>は「こういうところはよくない。」とはっきり伝えます。かなりエルスペスに振り回されている<暗き風>ですが,こういうところはしっかりしています。上巻は,エルスペスと<暗き風>の魔法修行。下巻はどどーんと物語が動きます。登場人物がそれぞれに成長するところがいいです。

それに特筆すべきは,下巻に出てくる<絆の鳥>。頭が良くて可愛いんですよ。<供に歩むもの>も謎だらけだし,次回はヴァルデマールが舞台になりそうだし,気になります。また2年後に出るっていうのは勘弁してもらいたい。原書で読むか…。この巻では,よくヴァニエル君の名前が出てくるんですねー。これも,読まねばならないか。。うーむ。。。""