コンタクト・ゾーン/篠田 節子

コンタクト・ゾーン
コンタクト・ゾーン

著:篠田 節子|出版社:毎日新聞社|発売日:2003/04|単行本|4620106690|

襲撃された楽園。暗転の休日。戦場と化した島に出口はない。
“生きろ。何があっても"
いま、女たちの戦いがはじまった!まばゆいラグーン、豊かな熱帯雨林に恵まれた島・バヤン。
その歴史には、つねに世界の矛盾が集約されていた。異なる価値、異なる秩序がせめぎあう「異文化接触地点」で、あなたは驚くべき光景を目撃する。危機にみちた時代を、全身で学び、生き抜いていくということ―。
篠田節子が贈る、スリリングな感動巨編。

うーん,やっぱり篠田節子。想像していたのとは全く違った。日ごろのストレスを発散するために訪れた観光地バヤン。日本人がかつて蹂躙した島に対する何の思いもなく,ショッピングを楽しむ30半ばの女たち。そこに内戦が勃発し,3人とも巻き込まれてしまう。
とにかく,女たちが逞しい。最初の内戦が始まるまでの3人ははっきり言って「典型的嫌な女」。共感もへったくれもない。その彼女たちが,これまたその性格ゆえにたくましく内戦下で生きていく。一瞬後には何が起こるかわからない。彼女たちは日本に帰れるのか。どきどきしながら,どんどん指がページをめくってしまう。最初は頼りなげに思える村人たちが,これまた図太く,逞しい。ユソフとジンガのように村人を守るために叡智をもって民を守る政治家は,日本ではみかけない。
最後の真央子の叫びは,まだ日本政府には届いていない。日本難民は,増え続けているのかもしれない。

とっても長いので,疲れているときには読めません。1日半かかっちゃった。