クローディアの秘密/E.L.カニグズバーグ

クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))
クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))

著:E.L.カニグズバーグ , 他|出版社:岩波書店|発売日:2000/06|単行本(ソフトカバー)|4001140500|

クローディアはいちばん上の子で,おまけに女の子はひとりきりだったので,いろいろ不公平な目にあった。そして,ただオール5のクローディア・キンケイドでいることがいやになる。まいにち同じことのくりかえしにも,すべてあきあきした。それで家出を計画する。家出先はメトポリタン美術館。そこで,クローディアは美しい天使の像と出会う。クローディアは天使の謎を解くために色々と調べ始める。

フランクワイヤーさんが,素敵。
クローディアが「人は1日に一つは新しいことを勉強したいと思わなくちゃいけないわ。」と言うと,フランクワイヤーさんはこう答える。
「いいえ。それには同意できません。あんた方は勉強すべきよ,もちろん。日によってはうんと勉強しなくちゃいけないわ。でも,日によってはもう内側に入っているものをたっぷり膨らませて,何にでも触れさせるという日もなくちゃいけないわ。そして体の中で感じるのよ。ときには,ゆっくり時間をかけてそうなるのを待ってやらないと,いろんな知識がむやみに積み重なって,体の中でガタガタさわぎだすでしょうよ。そんな知識では,雑音をだすことはできても,それで本当にものを感ずることはできやしないのよ。中身はからっぽなのよ。」
雑音ばかりならしてないで,たまには美しい音を出したいものだ。(1999年9月)