宿命の囁き〈下〉 マーセデス ラッキー

宿命の囁き〈下〉―ヴァルデマールの風・第1部
宿命の囁き〈下〉―ヴァルデマールの風・第1部

著:マーセデス ラッキー|出版社:東京創元社|発売日:2003/12|文庫|4488577075|

“ペラジールの森"では、元魔法使いの〈暗き風〉が憂えていた。一族が去り、谷が死んだように静かなのは、自分の起こした事故のせいだと。以来、魔法を使うことをやめ、通り名も変えた。森に迷いこんだエルスペスを救ったとき、〈暗き風〉に重大な変化が……。

いやあ,おもしろかった。やはりラッキーはおもしろい。
これは「もとめ」の物語だなと思った。「もとめ」の秘密や力が明らかにされ,物語がさらに豊かになっている。時々いたーい描写があって,「星の刃」が可哀想だーと絶叫したり。(叔父様キャラが好きなので。)緻密に構築された世界が,絡み合っていく過程がおもしろくどんどん読んでしまった。

これまでのヴァルデマールよりも,猫娘とかグリフォンやトケゲ族なども出てきて,彩が鮮やか。タルマ&ケスリーはちょっと地味だもんね。ロマンスの方は,まだまだこれからだが,期待できそう。