アドヴェント・カレンダー ヨースタイン ゴルデル

アドヴェント・カレンダー―24日間の不思議な旅
アドヴェント・カレンダー―24日間の不思議な旅

著:ヨースタイン ゴルデル|出版社:日本放送出版協会|発売日:1996/10|単行本|4140802774|

11月の終わりの日、ヨアキムは小さな本屋で色あせた美しい手作りカレンダーを見つけた。12月1日から24日までの「アドヴェント・カレンダー」だ。カレンダーの小さな扉を毎日ひとつずつ開けていくと、そこには謎の絵とひとりの少女の不思議な物語が隠されていた。デパートのおもちゃ売場から逃げ出した小羊を追って、少女は時間と空間の旅に出る。驚きと出会いが連続する旅の終わりはいったいどこに。""

ゴルデルを読むのは初めて。どのジャンルに分類すればよいのか悩むが、ファンタジーのようなミステリーのような味わいである。クリスマス前に是非読んでほしい。

11月の終わりの日、ヨアキムは小さな本屋で色褪せた美しい手作りのカレンダーを見つけた。12月1日から24日までのアドヴェント・カレンダーだ。カレンダーの小さな扉を毎日一つずつ開けていくと、そこには謎の絵とひとりの少女の不思議な物語が隠されていた。デパートのおもちゃ売り場から逃げ出した子羊を追って少女は時間と空間の旅に出る。驚きと出会いが連続する旅の終わりはいったいどこに?

私はキリスト教徒ではないが、十分楽しめた。
一つの扉に一つの物語。それが毎日連続する物語なのだ。しかも時間・空間を超えてイエスの誕生に立ち会い祝福を与えに行くというもの。それだけではなく、物語に登場する女の子エリーサベトは、実際に行方不明になった女の子と同じ名前でもあるし、カレンダーは魔法のカレンダーだった。最初ヨアキムは一人で物語を読み、その大切な物語をクリスマスプレゼントにするつもりで両親には内緒にしておく。ところがある日見つかって、秘密は家族の物となる。毎朝、ドキドキしながら家族で物語を読む。旅はどんな終わりを迎えるのか?
作者は繰り返し「クリスマスのメッセージは平和」と書いている。キリストのことだけでなく、難民問題も絡ませてクリスマスを祝うものは隣人に手を。。と。与えれば与えるだけ人は豊かになると。
お祭り騒ぎをするだけでなく作者のメッセージを大切にしたいと思った。