タランと角の王 ロイド・アリグザンダー

タランと角の王
タランと角の王

著:ロイド・アリグザンダー|出版社:評論社|発売日:1972/01|単行本|4566010155|

さて、お話はプリテインという架空の国の物語。両親の名前も知らないタランは、コル、ダルベン、そして豚や鶏などと平和に暮らしていた。平和過ぎて、退屈するくらいだった。タランは、外の世界へ出ていきたがったがダルベンはこれを許さず、タランの不満は募るばかり。「チャンスさえあれば、ぼくだってひとかどの人間に、英雄になれるんだ」タランは、いつも冒険を願っていた。名を挙げることを。

ある日、タランは豚飼育補佐係りを言い渡される。といっても、係りは2人だけ。それも今までやっている仕事に肩書きをつけたに過ぎない。それでもその豚が逃げ出せば後を追うしかない。その豚が予言を与える大切な豚であったのだから、なおさらだ。タランは、こうして平和に暮らしていた館を出、冒険に巻き込まれるのだった。""

「少年騎士タランの神秘と魔法に満ちた冒険物語。」とのあらすじとロイド・アリグザンダーという名前が懐かしく読んでみる。むかーし「木の中の魔法使い」を読んだことがあり、おもしろかったから。

冒険の途中で出会う面々が、どれも個性的で一筋縄ではいかない者ばかり。特にエイロヌイは、かわいらしい様相の少女なのだが、タランはいつもやりこめられている。愚かなタランが、エイロヌイに色々教わっていく過程が愉しい。