運命の騎士 ローズマリ サトクリフ

運命の騎士
運命の騎士

著:ローズマリ サトクリフ|出版社:岩波書店|発売日:2000|単行本|4001108283|

ランダルは、親もなくアランデルの犬飼の子として仕えていた。それは、鞭でうたれ、食べるものさえ館の台所から盗まなくてはならないということだった。いつも、怯え逃げていなければならなかった。しかし、楽人エルルアンにより、騎士エベラードに預けられることになったランダルは、やがて前向きに生きていくようになる。
 エベラードの孫ベービスとの友情、エベラードへの忠誠が、ランダルの心を変えていった。やがて、ベービスとランダルは2人でいつも行動するようになり、騎士とその従者になるべく修行を始める。ランデルの生活は平和で心満ち足りたものだった。
 領地にはアンクレットというベービスの養い親がいた。彼女は賢く薬草学に長けていて未来を予見することもできた。アンクレットは、常に暖かいまなざしで2人を見てくれていたのだ。そのアンクレットに魔女の嫌疑がかかり村人が館に襲いかかってくる。全てはド・クーシーの差し金だった。この騒ぎが元で騎士エベラートは亡くなり、ベービスが後を継いだ。そして、また戦。ランダルは大切なものを失い、その代償として騎士の座を手に入れた。それは、領地の人々に責任を持つということでもあった。ランダルは逃げることをやめ、成長し、やがて責任を持つこととなり、犬ころから「人間」になったのだ。""

もう、最後は涙涙涙。
ケルトの白馬」も涙でしたが、こちらの方が私の涙腺にはききました。ランダルの人生の物語でありながら、この時代の様々なな様相を手に取るように描くというのはすごいですね。ハンカチなしでは読めませんでした。