光の帝国 恩田陸|

光の帝国―常野物語
光の帝国―常野物語

著:恩田 陸|出版社:集英社|発売日:1997/10|単行本|408774292X|

穏やかで、知的で、権力への志向を持たずにひっそりと生きる人々。時を超えてよみがえる風景。彼らが生かされている場所と帰るべきところは?あなたのまわりにも彼らはいる。不思議な能力を持つ一族の物語。 ""

不思議な力を持つ常野の一族の物語。穏やかで、知的で、権力への志向を持たずにひっそりと生きる人々。時を超えてよみがえる風景。。。

常野一族の十編からなる物語。そのどれもが不思議な味わいに満ちている。女性ならではの細やかなしっとりとした風情。どれもいいです。
特に好きだったのは最初の「大きな引き出し」。最後は涙がじわっと出てしまって、温かい気持ちになった。
表題作の「光の帝国」は悲しくて腹立たしくてやるせない気持ちになった。
ネタバレになってしまうのでこれ以上かけないのがもどかしい。短編集からなる物語だが、その一つ一つが微妙に絡み合っていて、読者の想像を書き立てる構成になっている。また、登場人物の一人一人が個を持ち、光を放っているのでこの後どうなるのだろう、どうなったのだろうと気になってしかたがない。ひっそりと目立たぬように緊張しながら生活する常野の人々に安寧の日は訪れるのか、続編を早く書いてください>恩田さん
とにかくオススメ!