ミラクル・ファミリー 柏葉 幸子

ミラクル・ファミリー
ミラクル・ファミリー

著:柏葉 幸子|出版社:講談社|発売日:1997/05|単行本|4062086530|

「うちのお父さんにも、『オヤジ』じゃない時代があったのかも……。」そんな当たり前のことを思い起こさせてくれる、おもしろくてせつない、九つの家族を描(えが)いた短編集。
ふだんはめだたないお父さんたちが主役の、せつない家族ファンタジー。""

帯が秀逸。
**父さんが教えてくれた「子ども時代のしっぽ」。柏葉幸子がつむぐ「蛍光灯の下のおとぎばなし」**
正に「蛍光灯の下のおとぎばなし」なのだ。現代の家族の中にも、もしかしたら。。。と思わせるお話の数々。
九つの家族を描いた短編集のどの作品にも父親が出てくる。甘い話ばかりかというとこれが中々渋いのだ。
鬼子母神伝説と子どもを授からない家族のことを描いて、子どもを授かるということの意味や、子どもは神様からの預かり物という言葉を考えてしまった「ザクロの木の下で」。
「木積み村」はちょっぴり切なかったりにやりとしたり。
一番好きだったのは「ミミズク図書館」。私も行ってみたいなあ。
どのお話もちょっぴり切なくて、この本は大人じゃないと楽しめない。
2001-06-11