真夜中は猫のはじまり 飯野 真澄

真夜中は猫のはじまり
真夜中は猫のはじまり

著:飯野 真澄|出版社:岩崎書店|発売日:1992/08|新書|4265052029|

風のふかない晩。美由は、地獄のそこにいるような気分だった。憧れの克樹先輩が女の子と歩いていたというのだ。そんなとき、一匹の猫が現れる。ふーっとカーテンが舞い上がり、窓辺に誰かの声がした。「風は吹きますよ。今夜あたり…」その時、あたしの中に走ったひとすじの光。予感…。猫!そうだ…、真夜中は猫のはじまり。あたしたちの世界が、いま始まろうとしている。よどんだ空気の夏の絶望を吹きとばして、あたしは今夜、キリリと猫になる。""

娘に進められて読みはじめた本。最初は、ラブラブもの?という感じのロマンティック系で、トウのたった私などにはちょっと辛いものがあったのだが、中盤あたりからあれ?という感じでよくなる。たとえば、ここなんかよい。光合成をして酸素を作るんだという猫ミルトに対し「涙があふれてしきてしまった。ああ、そうなのかもしれない、と思った。すおなんだ。できるかできないかなんて問題じゃないのかもしれない。やろうとするかしないか、その方がずっと大事なのかもしれない。」そして、物語は猫革命へと進んでいく。意外な展開でおもしろかったですよ。この世界はオトナが支配している。っていうあたりも。

娘の感想(中1 12才)

ミユが、猫達に言葉を教えているところが好き。私もやってみたい。猫ともしゃべってみたいな。コドモと猫との革命っていうのが面白かった。色々考えちゃった。(1999/10/25)