オドの魔法学校

オドの魔法学校 (創元推理文庫 F マ 9-1)
オドの魔法学校 (創元推理文庫 F マ 9-1)

著:パトリシア A.マキリップ|出版社:東京創元社|発売日:2008/02|文庫|4488520073|

両親を病で亡くし、ひとりぼっちで暮らすブレンダンのもとに、オドと名のる女巨人が訪れた。都にある魔法学校の庭師になって欲しいというのだ。求めに応じたブレンダンだったが、慣れない都の生活になかなかなじめない。一方王宮では、歓楽街で興行する魔術師の噂に、王と顧問官たちが神経をとがらせていた。果たして件の魔術師はただの興行師か、それとも本物の魔法使いなのか。幻想の紡ぎ手マキリップの、謎と魔法に満ちた物語。

面白かった!マキリップは,やはり好きだなあ。あらすじとタイトルから少年の成長物語なんて,思ってはいけません。全然違う物語です。

マキリップの感想を書くのは,いつもとても難しい。独特の世界を言葉に表すだけの力が私にはないから。この分量にしては多すぎるほどの主要人物が,それぞれの事情で行動しているのだが,それがちゃんと最後に集約されるのも気持ちいい。魔法学校,王宮の瑣末な出来事が世界の秘密へつながっていく面白さ。中々よろしいです。ゲド戦記のような趣も感じられますよ。

魔法学校の教師ヤール、スーリズ姫、学者?セタ、姫の婚約者で魔法使いのヴァローレン、警吏のアーネス、魔術師の娘ミストラルのロマンスももっと書き込んでくれーというくらいいいです。ヴァローレンの。。。。ぶりもよろしいです。がんばれ姫。