イーシャの舟 岩本 隆雄

イーシャの舟 (ソノラマ文庫)
イーシャの舟 (ソノラマ文庫)

著:岩本 隆雄|出版社:朝日ソノラマ|発売日:2000/11|文庫|425776919X|

天邪鬼伝説が残る『入らずの山』に、産業廃棄物処理場が作られることになった。ある満月の夜、その建設現場の近くをライトバンで通りかかった宮脇年輝は、側溝にポルシュを脱輪させ立ち往生している美女・加賀山和美を助けた。和美の目の前で五トンもの車体を軽々と持ち上げる年輝―それを見た和美は、すがる思いで年輝にある頼み事をする。その結果、年輝は峠の天邪鬼に取り憑かれてしまうハメに―!?ファン切望の名作が大幅な加筆の上、転生。""

天邪鬼伝説が残る「入らずの山」に、産業廃棄物処理場が作られることになった。ある満月の夜、その近くを通りかかった年輝は、加賀山和美と出会った。和美の頼まれ事を引き受けた人のいい年輝。その結果とんでもないモノに取り憑付かれてしまう。それは、建設現場の爆発で目覚めた天邪鬼だった。

「星虫」「鵺姫伝説」の大元となる物語。やはり、テーマは「地球を救うのは」という前の2作と同じものだが、こちらは少し「恋愛」も描かれていて、時にほほえましい描写もある。
天邪鬼がとにかく、いじらしくかわいらしい。
年輝の家に最初に現れた場面での天邪鬼は40センチくらいで、途方もない力を持っているのに、赤ちゃんそのものだ。年輝が何とか人間と共存できる妖怪にしようと奮闘する中で、亨や純とも関わり会うようになって天邪鬼はどんどん成長していく。そして、最後には…

星虫、鵺姫伝説で出てくる「全世界から憎まれ、その後英雄視された女性」のことや、鵺姫伝説の主人公純、そして、「舟」。
それらが、ちょっぴりわかる星虫にリンクした物語。
2001-07-21