シナモン・トリー 竹下文子

シナモン・トリー
シナモン・トリー

著:竹下 文子|出版社:パロル舎|発売日:1997/10|単行本|4894191725|

美しかったはずの夢さえ、悪夢になるとき、ぼくたちは夢を救えるか?ぼくたちの夢を救えるか?事故で姉を亡くした真。姉の愛犬トリー(シナモン)と散歩に…。迷い込んだのは、日常的に廃棄されているゴミの支配する世界。私達の無責任が異次元をも汚染する。 ""

< ゴミ問題と死 >
レビュータイトルにも挙げた「ゴミ問題と死」がテーマだと思うのだが。

塀で囲われた「元試験場」で犬のトリーの散歩中に引きこまれてしまったシン。そこは、どこからともなくあらわれるゴミ(キップル)から生まれた化け物が徘徊する異界だった。

この「テリトリー」では犬のトリーは、シナモンという名の少年だった。他にもルーやバジルなど数名の少年少女がいる。大人はいない。

「ここではみんな見かけだけだから。」

という言葉が前半に何度か出てきて気になったのだがタイトルの「シナモン・トリー」というのは、確かシナモンの樹皮からとれる精油(?)だったはず。何か暗示してるのかなあ。
登場人物は全てハーブ系の名前。
彼らは、どこからともなく現れる食料を使って食事をする。仲間が死んでも、それほど悲しまず明るいのだ。違和感。違和感。
そして、シンは知る。この「テリトリー」を作ったのは誰か。
うーん。たくさん散りばめられてる要素がイマイチしっくり来ていないというか。かみあっていないというか。

「スターズ」の方が好きでした。