魔の沼 天沢 退二郎

魔の沼
魔の沼

著:天沢 退二郎|出版社:ブッキング|発売日:2004/11|単行本|483544132X|

ほんとうにこれ、沼かしら?ルミはまだ疑ってみた。なぜなら、印波沼でも、森の奥の沼でも、長沼でも、沼の岸はたいていびっしりアシは生え、その先にはガマが生いしげり、そのまた先にやっと水面がはじまるのがふつうだ。それなのにこの沼(?)の水ぎわは、いきなりふつうの夏草のしげみになっている。これはおかしい、どこかインチキくさい、あやしい・・・・・・・・。
水面が、むこう、どのへんまでつづいているかは、霧のためにさだかではなかった。でもこれは、相当なひろさだ、ちょっとやそっとの出水なんかじゃなさそうだ。
そして、もうひとつ、ふしぎなことは

三部作「三つの魔法」の第二部。1作目と3作目を先に読んでしまったのでちょっと残念。でも、十分楽しめた。今回は、突然現れた黒い「魔の沼」の王との戦い。
李エルザが、凛々しく立ち向かう。ルミも重要な役所だ。相変わらず女の子が活躍し、男の子はアシスタント的役割。最後はいつものように、切ない部分がある。天沢さんの作品はいつも、死、犠牲が潜んでいて魔に打ち勝っても何だか悲しいのだ。
おもしろいです。おすすめ。