コーンワルの夏 ロザムンド ピルチャー

コーンワルの夏
コーンワルの夏

著:ロザムンド ピルチャー|出版社:日向房|発売日:1998/02|単行本|4795212651|

幼くして両親を失くしたローラは夫アレクとの新婚生活の幸せのさ中にありながら、妻として自信の持てない自分をもどかしく感じていた。季節は夏。病後の療養に出かけた先はアレクの叔父の住むコーンワルの果てのトレーメンヒア荘。ローラを迎えたのは風変わりな人々の暮らす地上の楽園であった。コミューンの暮らしから照らし出される家族の形―孤独と癒し。人間のやさしさと怖さが胸に迫る物語が渋滞なくうつくしく展開する。""

悪意ある手紙がもたらす不穏な空気。手紙を出したのは誰なのか,ミステリ仕立ての作品。今回の主人公ローラは内気で純真な女性として描かれていて,それが若干ものたりない。ローラよりもゲイブリエルやドルシラ,イーヴの方がずっと生き生きとして魅力的だ。アレクに守ってもらうだけの若い(といっても30過ぎてはいるが)妻よりもアレクを守る強い女性として描いて欲しかったな。
でもやっぱりピルチャーは,おもしろい。次は「九月まで」