水晶玉と伝説の剣 ヴィクトリア ハンリー

水晶玉と伝説の剣
水晶玉と伝説の剣

著:ヴィクトリア ハンリー|出版社:徳間書店|発売日:2002/07|単行本|4198615500|

隣国からもたらされた水晶玉により先見の力に目覚めた王女トリーナ。一方トリーナに助けてもらった隣国の王子ランドンは、心に秘めた目的成就にむけて一人突き進んでいた。運命で結ばれた二人に平穏な日々は訪れるのか? そして、失われた〈伝説の剣〉の秘密とは? 伝説が息づく王国を舞台に展開する華麗なロマンティックファンタジー

燃え立つような赤毛と深い海色の目をした、アーチェルド国の王女トリーナ。一方伝説の剣に守られ長く平和と文化を愛する美しい国ベランドラの王子ランドン。2人が出会ったのはトリーナの父カリードがベランドラを征服し,ランドンの父を殺したときだった。ランドンは未来見の水晶とともに奴隷としてトリーナの元に連れてこられたのだ。トリーナはランドンを自由にし,ランドンは兵見習としてアーチェルドに留まる。2人は互いに友として相手を大事に思っていたが,年とともに2人が会う事もできなくなる。やがて,トリーナは父親の腹心の部下と結婚することになる。そして,運命が転がり出す。トリーナの未来見の力が運命の輪をまわし出す。

最初は,しょっちゅう場面が切り替わり,複数の視点で語られるのが気持ち悪かった。「崖の国物語」を連想しました。人も結構死ぬし…
でも,後半トリーナが国を逃げ出すあたりからどんどん面白くなりました。ランドンは腕っ節は強くてしかもいい男。その上,本当に強いものは他者を傷つけるのではなく、自分の憎しみを押さえる者という信念の持ち主。ひたすらトリーナを慕う姿がまた…トリーナもランドンもただ自分の境遇を嘆くのではなく前向きに行動する姿が清清しい。
ダーミスもかっこよかった…