ユニコーン・ソナタ ピーター・S. ビーグル

ユニコーン・ソナタ
ユニコーン・ソナタ

著:ピーター・S. ビーグル|出版社:早川書房|発売日:1998/06|単行本|415208166X|

ロサンゼルスに暮らす13歳の少女ジョーイはたいへんな音楽好き。毎日、学校帰りにパパス楽器店に立ち寄り、ギリシア人のパパスさんと音楽についておしゃべりの花を咲かせている。
そんなある日、食事に出かけるパパスさんにジョーイは店番を頼まれた。そこへひとりの見慣れぬ少年が訪れ、角笛を売りたいと言う。
30センチくらいの長さの、巻き貝のようにねじられた銀青色の角笛からはこの世のものとは思えない妙なる調べが流れ出た。
じつはこの少年は、人間に姿を変えたユニコーンだったのだ。
やがて角笛の音に導かれ、ジョーイはユニコーンの住む幻想郷「シェイラ」へと赴いた。
『最後のユニコーン』の著者ビーグルが、ふたたび世界中のファンタジイ・ファンに感動を与える。""

ナルニアをちょっと思い浮かべてしまうファンタジー。音楽に引き寄せられて<シェイラ>へ入り込んでしまうジョーイ。彼女の目を通して語られる異世界が本当に美しく,目に浮かぶようだ。
ジョーイにとっての理想郷が,その住人にとっての理想郷ではないというのは皮肉だ。<大老>とよばれるユニコーンたちがあこがれているのは人間界。互いに相手の世界に強く憧れるインディゴとジョーイを軸に物語は展開する。

特に心に残ったのは,ジョーイの祖母アブエリータ。ファンタジー好きな方にはおすすめ。