九年目の魔法     ダイアナ・ウィン ジョーンズ

九年目の魔法
九年目の魔法

著:ダイアナ・ウィン ジョーンズ|出版社:東京創元社|発売日:1994/09|文庫|4488572022|

なにか、おかしい。壁にかかった懐かしいこの写真も、愛読していたベッドの上のこの本も、覚えているのとは違っている。まるで記憶が二重になっているみたい・・・
ポーリィは、自分の記憶を確かめ、忘れさせられていた本当の自分の記憶を取り戻す。そこには、ある魔法が関係していたのだ。""

登場人物がとにかく魅力的。ジョーンズは初めて読んだが、実は小麦のお気に入り作家。「魔法使いハウルと火の悪魔」がおもしろかったらしい。(これも読んでみないと)
とても長い物語だが途中で飽きさせない。それはポーリィの生活がとても生き生きと描かれているからだ。英雄になる訓練を人知れず積むポーリィ。リンさんへの淡い思いを募らせるポーリィ。愛しいキャラクターだ。おばあちゃんのもとで英雄修行を積むあたりは「西の魔女が死んだ」をちょっと連想するけれど、このおばあちゃんもなかなかに素敵だ。