地の掟 月のまなざし たつみや章

地の掟 月のまなざし
地の掟 月のまなざし

著:たつみや 章|出版社:講談社|発売日:2000/01|単行本|4062100347|

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縄文時代

すべての物に神が宿り、人はその恩恵を受けて生きていると考えられていたポイシュマたちのムラ。

ムラの少年ポイシュマとクニの後継者とされるワカヒコ。2人の運命的な出会い後、2人はそれぞれの居場所へと帰っていった。しかし、ワカヒコを待っていたのは、叔母ヒメカによる幽閉だった。

ムラに連れていかれたポイシュマは、ムラに受け入れられ「ヤド」と呼ばれる寄宿舎のようなところで生活を始める。家族で暮らしていた頃には知らなかったようなことをたくさん学んでいく。新しい友人も増えた。

一方のワカヒコはヒメカの陰謀に翻弄され、クニを追われることになってしまう。それぞれの運命が今後どのように展開されていくのか3巻を読むのが待ち遠しい。

本書では、月にかかわる美しい描写が心に残った。「月の柱」の祭りと「三日月の船」だ。前作でカムイとなったシクイルケもモナッレラも下界を見守っている。しかし、「人の心を守るのも救うのも、最後はその者自身の心の力。」なのだ。「運命に負けぬ強さ」を2人は持つことができるのか、次巻が楽しみだ。

2001-07-08