ケルトとローマの息子 ローズマリ サトクリフ

ケルトとローマの息子
ケルトとローマの息子

著:ローズマリ サトクリフ , 他|出版社:ほるぷ出版|発売日:2002/07|単行本|4593533805|

ケルトの戦士として育った少年は、じつはひろわれたローマ人の子どもだった。部族を追放され、父母の地ローマへと向かった少年を待っていた運命とは…? カーネギー賞作家サトクリフの歴史ファンタジー。""

ケルトの白馬」に続きほるぷ出版から出されたサトクリフ作品。訳者は前作と同じく灰島かり氏。読みやすく切れのよい文章でどんどん読み進んでしまう。
今回の主人公は拾われッ子ベリック。養い親に大切にされながら育ったベリックは部族のいじめにも耐え抜き,部族の中に自分の身を置いていた。しかし,部族に襲いかかる不幸に「呪われた子」として追放されてしまう。ローマ人の血を引くエリックはローマの「ワシ」に入ろうとイスカ・ドゥムノニオルムへ向かう。しかしそこで起こった事件からベリックの運命は音を立てて崩れ出す。人間を信じることのできなくなったベリック。そのベリックがどう人間への信頼を取り戻し、自分を取り戻していくかという物語。
素晴らしいです。「ケルトの白馬」では巨大な地上絵を元に物語が進みましたが,今回は干拓事業。現存する或いはは現存しないあらゆる建造物にいろいろな人間の歴史が詰まっているんだと改めて思う一冊。
オススメ!石堂藍の「ファンタジー・スピリット」(BK1コラム)でも取り上げられています。 2002.08.16